魚の生臭さを取るにはどうする? 塩・酢・お湯、3つの方法で下ごしらえしてみた

魚を料理するとき、「あれ、何だか生臭い…」と感じることはありませんか?買ってきてすぐ、新鮮なうちに調理する場合は気になりませんが、翌日に調理しようと思っていると、独特な匂いが鼻につきますよね。それにあの生臭さは調理の時だけでなく、完成した料理の風味にも影響します。できることなら、簡単な下ごしらえでどうにかならないものでしょうか。

そこで今回は、巷でよく聞く「魚の生臭さを取る方法」を3つ試してみました。一番効果的な方法はいったいどれなのでしょう?

身がやわらかく、どんな料理にも合う「サワラ」で検証

今回選んだのは「サワラ」。サバ科の仲間で、サゴシ→ヤナギ→サワラと成長に沿って名前が変わる出世魚です。皮目に黒っぽい斑点があるのが特徴。旨みがありつつも淡白な味わいなので、刺身や焼魚など和食を中心に、幅広い料理に使える魚です。

 

この日は2割引になっていた商品を購入。その後丸1日冷蔵庫に入れておいたところ、やはりあの魚臭さが感じられました。この”臭さ”はおもに「トリメチルアミン」という成分が原因。水揚げから時間が経つと魚の旨みが微生物により分解され、「トリメチルアミン」を発生させます。するとアンモニアのようなあのツンとした生臭さが出てきてしまうのです。

 

サワラをはじめ、生のサバやタラなど、身がやわらかい魚は水分が多いため、生臭くなりやすいそう。だから調理する前のひと手間が必要なんですね。

効果的なのはどれ? 魚の生臭さを消す3種類の方法

調べてみたところ、「魚の生臭さを消す方法」としてよく挙がっているのは以下の3種類でした。私の主観ではありますが、実際に試したあと塩焼きを作り、匂いと味を比べてみましょう。

1:【塩を振る】浸透圧で余分な水分を出し、旨みを凝縮させる

2:【酢で洗う】薄めたお酢でサッと洗い、臭みのもとと反応させ匂いを軽減する

3:【湯洗い(霜降り)】80℃前後のお湯でサッと洗い、臭みのもとを落とす

塩を振って臭みを取る

まずは塩で魚臭さを取る方法。魚の重さの2~3%の塩を全体にまぶし、そのまま10分放置します。これ以上置くと水分だけでなく魚の旨み成分も流れ出してしまうのでタイマーをかけておきます。今回の切り身は51gだったため、塩は1.5グラムを使いました。

サッと洗って塩と水気を拭き取ると、表面に粘度が出てペタペタした感触に変わっていました。これは魚のタンパク質が塩によって溶け出してきたからなんですね。この時点で魚臭さはまだ多少残っています。

お酢で洗うとどうなる?

これは以前、お惣菜店のスタッフさんから「サバの塩焼き」を作るときに行っていると聞いた方法です。容器にお酢大さじ2杯入れ、水で5倍に薄めます。ここにサワラを入れ、軽く洗えばOKです。

見た目はあまり変わりません。しかし、拭き取ってもお酢の香りは残っています。酸味は加熱すると消えるはずですが、どうなるでしょうか。

湯洗い(霜降り)にするとどうなる?

沸かしたお湯に入れて軽く洗う方法は、よく魚のあらの下処理に使われます。魚のエラなどに残った血合いや臭みを取り除けるそう。お湯の温度は80℃前後に。これ以上高温になると魚の細胞が壊れてしまい、旨みが流れ出してしまいます。

魚臭さはほぼありません。ただ、身の薄い部分がめくれあがったり、皮が傷ついたりしてしまいました。切り身の焼魚をキレイに仕上げたい場合、この方法は向かないかもしれません。

下処理後はフライパンで焼いてみる

それぞれサッと水洗いしてから、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。すべてに軽く塩をふり、温めたフライパンで皮目から焼いてみました。

完成! 魚臭さがなくなったのはどの方法?

1:【塩を振る】焼く前にサッと塩を洗い流しましたが、内部まで塩気が浸透しているからか、塩の味が強めです。魚臭さは感じませんでした。

2:【酢で洗う】酸味は完全に飛んでいます。食べてみると身は柔らか。しかし後味が多少魚臭いような気がします。

3:【湯洗い(霜降り)】魚臭さはとくに感じられません。焼いた皮の香ばしさも感じられます。身はふわっとしていますが、若干水っぽさが残りますね。

結果…調理法によって変えるのがベターだった

魚臭さを減らす下ごしらえの方法を3種類試してみてわかったこと。それは…「調理法によって変えるのがベター」ということです。

1:【塩を振る】→水分を出し、旨みを凝縮させる塩の効能と味わいのおかげで、魚臭さはまったく感じません。塩焼きや炒め物に使う場合などはこの方法が一番おすすめ。ただ塩味が多少強いようにも感じます。今回のように2%の塩ではなく、1%でも十分かもしれません。

2:【酢で洗う】→多少魚臭さは残るものの、サワラの旨みを一番はっきりと感じられたのはお酢で洗う方法でした。減塩が必要な方や、魚にソースやタレをかけて食べる場合は、塩よりもお酢が良いのではないかと思います。

3:【湯洗い(霜降り)】→煮魚にするなど、汁気の多い調理をするなら湯洗いがぴったり。あらかじめ魚臭さのもとを洗い流しておくことで、煮汁も濁らずキレイに仕上がります。

魚は「生のまま保存」ではなく、「焼いてほぐして冷凍保存」がおすすめ

とはいえ、魚は賞味期限を待たず、なるべく早く調理した方が美味しいはず。もし「魚を買ってはみたものの食べきれない」という場合は、まとめて塩焼きにしてしまいましょう。

焼いてから身をほぐし、冷凍しておけば、魚の混ぜご飯やお茶漬けなどに使えます。

ぜひ試してみてくださいね。

 

文:田窪 綾