小麦粉or片栗粉?『ムニエル』や『あんかけ』で使い分けるクックハック

衣付けをしたり、とろみをつけたりと大活躍!小麦粉と片栗粉は毎日のごはんづくりに欠かせないアイテムです。ただ時々、どちらかを買い忘れてしまったり、「どっちを使えばいいんだっけ?」と分からなくなったりすることはないですか?

今回は『ムニエル』を作る場合のほか、「揚げ物」「あんかけ」「羽根つき餃子」に使うにはどちらがいいのかを詳しく解説していきます!

小麦粉と片栗粉はどう違う?

そもそも、「小麦粉」と「片栗粉」はどう違うのでしょうか?写真は向かって左側が「片栗粉」側が小麦粉(薄力粉)です。どちらも原材料が違います。

小麦粉は名前の通り、小麦を挽いて作られた粉です。お菓子、うどん、パンなどに使われます。揚げ物やソテーなどの衣付けに使うのは薄力粉。色々少し黄みがかっていて、ふわふわとした感触です。

小麦粉には薄力粉のほかにも中力粉や強力粉といった種類があり、粘りや弾力のもととなるタンパク質の一種『グルテン』の含有量が違います。

薄力粉が一番少なく、中力粉、強力粉の順に多くなっているため、例えば薄力粉を水で溶いたものと、強力粉を水で溶いたものでは一目瞭然。粘りの違いが良くわかります。

一方で、片栗粉は、「ばれいしょ」というじゃがいもから作ったでんぷんが原料になっています。小麦粉に比べると色が白く、指で触るとキュキュッとした感覚があるのが特徴的です。

もともとはカタクリという花の鱗茎(りんけい)部分をから作られていたのですが、花の数が少なく、大量生産が難しいために、現在は「カタクリ」という名前だけが商品名になっているんですね。

片栗粉は小麦粉と違いグルテンは含まれていません。でんぷんの作用で、熱に反応するととろみがつくので、あんかけづくりなどに使われます。

『鮭のムニエル』を小麦粉・片栗粉で作ってみる

それではここで実験です。鮭の切り身にそれぞれ片栗粉、小麦粉をつけてムニエルにしてみましょう。違いはどう出るでしょうか。

左が片栗粉、右が小麦粉。どちらもまんべんなくつけましたが、小麦粉の方が鮭になじむのが早く、片栗粉の方より鮭のオレンジ色が目立ちます。

大きめのフライパンで、2尾並べて焼いてみました。色づきが良いのは断然小麦粉の方。タンパク質が含まれているため焦げやすいんですね。一方で片栗粉は白っぽい仕上がりです。

食べてみると、小麦粉のムニエルはカリっと硬めで香ばしく、中はジューシーです。片栗粉の方は表面がサクッとしており、中はふわっとしています。

試しに40代の夫と中学生の娘にそれぞれ試食してもらいましたが、2人とも好みが分かれました。「ムニエルは小麦粉でないといけない」というわけではなく、お好みで使い分けても良さそうですね。

『揚げ物』は小麦粉・片栗粉どっちがいい?

『鶏の唐揚げ』など、揚げ物の衣に使った場合でも違いが出ます。小麦粉だと薄づきになりますが、色が良く揚げたてはサクサク。冷めるとしっとりとした仕上がりです。片栗粉は粉の白っぽさがそのまま残り、ザクザクとした衣の食感が楽しめます。どちらの良さも楽しみたい場合は、小麦粉と片栗粉を同量で混ぜて使うのがおすすめです。

『あんかけ』を小麦粉で作ったらどうなるか?

中華丼などのあんを作る時は、片栗粉が定番ですよね。でもなぜ、小麦粉ではダメなのでしょうか?

これは、とろみがつき始める温度の違いによるものです。片栗粉を使った場合、とろみがつき始める温度は65℃以上。一方で小麦粉では、とろみがつき始めるのは85℃以上。小麦粉にはタンパク質が入っているため、温度が上がりきるまでにグルテンが反応してダマになりやすくなってしまいます。

また、片栗粉のあんは透明になるのに対し、小麦粉で作ったあんは白っぽくなるのが特徴。カレーやシチューを片栗粉で作ると透き通った色合いになりますし、小麦粉で中華丼を作るとキャラメルのような薄い茶色になってしまいます。代用が難しいのでご注意くださいね。

『羽根つき餃子』を作りたい!小麦粉、片栗粉どっちがいい?

キレイに焼けると思わず嬉しくなっちゃう『羽根つき餃子』。上手に作るためには片栗粉と小麦粉、どっちの方が良いのでしょうか?

どちらも粉に水を入れ、蒸し焼きするところは同じ。焼き上がりに差が出ます。

小麦粉を使うとタンパク質と反応して焦げ目がつき、パリッと薄い羽根に仕上がります。逆に、片栗粉を使うと厚めの衣に。ただ、水分を含みやすい性質のため、時間が経つと水分を含み、ベタっとしてきてしまいますのでこれも注意が必要ですね。

それぞれの特徴を知って上手に使い分けよう!

見た目は似ていても、特徴が異なる小麦粉と片栗粉。

それぞれの性質が分かると、活用の幅が広がるのではないでしょうか?

文:田窪 綾