鶏もも肉とむね肉ってどう違うの? お肉の部位紹介&食べ方事典【鶏肉編】

2012年以降、日本の年間食肉消費量のトップの座を飾り続けている『鶏肉』。ジューシーなもも肉に、ヘルシーなむね肉。砂肝やレバーといった副生物など、家畜自体は小さいながらも、部位ごとにさまざまな魅力がありますよね。

そこで今回は鶏もも肉・鶏むね肉を中心に、鶏肉の部位の解説やおすすめの調理法をご紹介。使い分けが楽しくなる、それぞれの個性に迫ってみましょう!

鶏肉の部位を見てみよう

まずは鶏肉の部位を簡単なイラストで見てみましょう。鶏の体はこのようになっています。体重を支えるもも肉に、翼を動かすためのむね肉。「手羽」と呼ばれる翼の部分は、3種に分けられて販売されています。砂肝やレバー、ぼんじりなどは焼き鳥の串でもおなじみですね。ここからはそれぞれの部位について、詳しく見ていきましょう。

ジューシーでコクたっぷり!鶏もも肉

脂肪を多く含み、コク深い味わいが楽しめる鶏もも肉。体重を支えているためか、ほかの部位より筋肉質で、白い筋も多く通っています。調理法は、ジューシーな味わいを活かして唐揚げやフライなどに。肉らしい旨みもあるので、他の素材と合わせて炒め物やソテーなどにもおすすめでき、幅広い料理に利用できます。

ちなみに、クリスマスなどによく食べる骨つきもも肉は「レッグ」。こちらを分割すると、フライドチキン店で見かける「サイ(ひざ上)」、「ドラム(ひざ下)」なります。

淡白な味わいで食べやすい!鶏むね肉

低カロリー、高たんぱくな鶏むね肉。近年は”サラダチキン”などでも人気ですね。若鶏100gあたりで、もも肉とエネルギー量を比べてみても、 

もも肉・皮つき:約204kcal/皮なし:127kcal

むね肉・皮つき:約145kcal/皮なし:116kcal

(※文部科学省 食品成分データベースより)

https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=15430

と、同じ鶏肉でも大きく異なります。脂肪が少なく、あっさりと淡白な味わい。蒸し鶏やソテーなどにも大活躍します。しかし鶏むね肉は加熱調理で、肉質が固くパサパサになってしまうことがあります。これは肉のタンパク質が加熱により収縮してしまうため。脂肪が多いもも肉ではそれほど固くなりませんが、むね肉は筋肉の膜が薄く、脂肪が少ない肉質です。火が通りやすいため、水分も一緒に流れ出てしまうからなのだそう。

そこで鶏むね肉を調理するときは、「加熱時間をなるべく短く」がポイントです。薄くそぎ切りにしたり、余熱で火を通したり。また、片栗粉をまぶして水分保持をするのもおすすめです。

むね肉よりさらに低カロリー!ヘルシーな鶏ささみ

鶏肉で一番脂肪が少ないささみ。笹の葉に似た形のためこのような名前が付けられています。文部科学省の食品成分データベースによると、鶏むね肉(皮なし)の場合のカロリーは100g当たり116kcal、対して鶏ささみは109kcalと少なめです。

調理法としてはむね肉とほぼ同じ。かたくなりやすい肉質なので、加熱時間は短めにすると、ふっくらとやわらかく仕上がります。ソテーや蒸しもののほか、揚げ物でもあっさりと食べられますね。

鶏の翼は手羽元・手羽中・手羽先、3つの部位に

広げると大きな翼部分は、骨付きのまま手羽元・手羽中・手羽先の3つに分けて販売されます。翼のつけ根部分にあたるのは「手羽元」。

手羽の中では最も肉が多く、やわらかい肉質が特徴。脂肪も少なめです。煮込み料理に使っても美味しいですね。

翼の先の方、羽のような形をしているのが手羽先。

分厚い皮と細い骨があり、唐揚げや煮込み料理などに使われます。脂肪やゼラチン質を多く含み、煮込み調理などをするとプルプルとした食感も楽しめますね。

さらに、手羽先の先端部分をカットしたものが手羽中と呼ばれる部位です。複雑な形状をした手羽先とは異なり、手羽中はとてもシンプル。細い骨が真ん中を1本通り、その周りを脂肪多めの肉が覆う形。身離れが良いので、調理しやすく食べやすいのが特徴です。

レバー、ハツ、砂肝、ぼんじりなどなど…希少で個性的な副生物

レバーは鶏の肝臓、ハツは心臓部分。両方セットで「キモ」として販売されていることもあります。吸収力の良い鉄分は牛や豚よりも多くふくみ、さらにビタミンA・B、葉酸を多く含むなど栄養価が高い優秀部位です。焼き鳥や煮込み、レバーペースト、レバニラなどの炒め物がポピュラーですね。

砂肝は胃の中の筋肉部分。歯がない鶏ならではの部位です。鶏はエサと一緒に砂も食べてしまうことがあるため、胃の中にその砂を蓄え、食べたものをすりつぶして消化する手助けをするためで、別名“砂ずり”とも呼ばれています。

小さい鶏には、1羽からわずかしか取れない希少部位がたくさんあります。首にある筋肉「せせり」や、腎臓「せぎも」、コリコリ食感の「ひざ軟骨」など。なかでも人気部位なのが、尾骨まわりにある「ぼんじり」。おしりのお肉らしく、高脂肪でジューシーですが、運動量も多いため身の締まりもあり。柔らかさと程よい弾力がクセになる部位です。焼き鳥や唐揚げにすると、より魅力が引き立ちます。

丸ごとさばく「鶏専門店」なら知らない部位に出会えるかも

今回は主要な鶏肉の部位をご紹介してきました。ほかにも鶏の気管部分の「さえずり」や、もも肉の一部「ソリレス」など、あまり市場に出回っていない希少部位もあります。丸ごと1羽をさばくような鶏専門店なら、色々な部位に出会えるかもしれません。個性豊かな鶏の美味しさを楽しんでみてくださいね。

 

文:田窪 綾