食中毒菌を増やさない!梅雨~夏のお弁当、傷みにくくするコツ3選

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され、通勤や通学が再開するなど、少しずつ生活のリズムが元に戻ってきています。

手づくりのお弁当を持参する方も多いと思いますが、気温や湿度が上がっているこの時期はいつもより注意が必要です。

せっかく作ったお弁当。おいしく食べられるよう、今回はお弁当を傷みにくくするコツをお伝えします。

春~夏は「細菌性食中毒」に気をつけよう!

腹痛や嘔吐、下痢、発熱などのほか、神経障害などの健康被害が出てしまう食中毒。原因となる種類は自然毒や寄生虫、化学物質などがありますが、家庭で起こりやすいのは「細菌」と「ウイルス」です。

春~夏にかけて起こりやすいのは、サルモネラ菌やカンピロバクター、ブドウ球菌、腸炎ビブリオなど「細菌」が原因となる食中毒。細菌の多くは室温の22℃程度から人間の体温の36℃~38℃程度を好み、活発になります。気温や湿度が上がるこの時期、密閉になるお弁当は、細菌が増殖しやすい環境になってしまいます。

厚生労働省は食中毒予防の3原則として、細菌を食べ物に『つけない』、食べ物に付着した細菌を『増やさない』、食べ物や調理器具に付着した細菌を『やっつける』ことを挙げています。

傷みにくいお弁当づくりのコツ① 菌を「つけない」工夫とは?

菌をつけないためには、何よりもまず手洗いが大切!

調理前、調理中、調理後など、これまで以上に気を配っておきましょう。

また、洗ったらしっかり手をふくことも重要です。調理にかかる前は、キッチンに大きめのタオルを置いておくと便利ですね。

同様に、食材の温度管理にも気を配りましょう。買って来たものはすぐに冷蔵庫に入れます。作る際、調理器具やお弁当箱も清潔を保ちましょう。肉や魚を切ったまな板はすぐ洗い、増殖をさせないようにします。

うっかり忘れてしまいがちなのが、包丁や菜箸の持ち手部分。手指に菌が付着していることもあるため、しっかり洗いましょう。お弁当箱はアルコールスプレーを吹きかけ、キッチンペーパーで拭き取ります。お酢を湿らせたキッチンペーパーで拭き取っても効果があります。乾燥したことを確認してから具材を詰めましょう。

傷みにくいお弁当づくりのコツ② 菌を「増やさない」工夫とは?

高温になるこの時期。密閉したお弁当箱の中で、水分が多いおかずは細菌が好む湿気を発生させます。

おひたしや和え物などはできるだけ水分を切りましょう。おすすめなのが、鰹節やすりごまなどを混ぜておく方法。余分な水分を吸い取ってくれるだけでなく、風味も加わります。その他、海苔や揚げ玉、とろろ昆布、ちりめんじゃこ、ふりかけなどもおすすめです。

また、味付けに殺菌や防腐効果のある調味料や食材を使うのも一案です。お酢や梅干し、大葉、わさび、辛子、カレー粉などがおすすめですが、お酢でマリネを作る場合もしっかり調味液を拭き取ってから詰めましょう。

また、具材の水分がごはんに移りやすい炊き込みご飯は、白いごはんより傷むスピードが速いです。春~夏は避けておいた方が良いですね。

傷みにくいお弁当づくりのコツ② 菌を「やっつける」工夫とは?

食中毒菌を「やっつける」ためには、加熱が重要なポイントです。

加熱しても死なない「セレウス菌」や「ウェルシュ菌」などもありますが、ほとんどの菌は加熱で死滅します。肉や魚は中心温度75℃で1分以上加熱、二枚貝は85~90℃で90秒以上加熱を目安にしましょう。野菜も生ではなく、加熱処理をした方が安心です。彩りに生のミニトマトを加える場合は、水気が出やすいカット状ではなく、丸のまま入れるようにしましょう。

夏場のお弁当の場合、ちくわやかまぼこ、ハムなどの加工品も加熱処理をしておきましょう。

作りおきのお弁当は温度差に注意!

出来上がったお弁当の温度は、底面を触っても熱さを感じない20℃前後でふたを閉めましょう。抗菌シートや保冷剤、保冷バッグを使うのもおすすめです。

また、前日にお弁当を作りおきし、冷蔵保存されている方もいると思います。その際は冷蔵庫の温度を保って持ち歩くようにしましょう。5℃以下で細菌の増殖が止まっていたところで常温に出してしまうと、温度差で一気に増殖してしまいます。

気を付けるべきポイントがたくさんある春~夏のお弁当づくり。ちょっと大変ですが、覚えておくと安心です。楽しく作っておいしく食べられるよう、毎日のお弁当づくりに役立ててみてくださいね。

 

 

■参考資料

厚生労働省「食中毒統計調査」より

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000488491.pdf#search=’%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E9%A3%9F%E5%93%81%E5%88%A5%E9%A3%9F%E4%B8%AD%E6%AF%92%E7%99%BA%E7%94%9F%E7%8A%B6%E6%B3%81

 

政府広報オンライン「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」

https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html

文:田窪 綾