米酢、穀物酢、りんご酢の違いとは?使い分けるポイントをおさらいしよう

様々な料理に使われるお酢。夏になり出番も多くなる調味料ですが、色々な種類があり、どう使い分ければいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。

それぞれの特徴と、使い分けの方法について解説します。

そもそも、お酢ってなんだ?

「酢」とは、酒に酢酸菌に加え発酵させたもの。酢酸菌が酒のアルコール成分に働きかけ、酢の主成分である酢酸を作りだしていきます。

お酢の歴史は古く、原材料や製造方法の違いからさまざまな種類があります。そのため農林水産省では「食酢品質表示基準」を定めており、大きく「醸造酢」と「合成酢」に分けています。

「醸造酢」は、穀類や果実、野菜、さとうきびなどの農産物、はちみつ、アルコール、砂糖などを原料とし、酢酸菌で発酵させたものです。私たちが料理に使うお酢はこの「醸造酢」を指します。

「合成酢」は、酢酸を水で希釈し、砂糖や調味料などを加えたもの。業務用での販売はありますが、家庭用ではほとんどありません。

「醸造酢」は原料によって「穀物酢」「果実酢」と分類が変わる

普段私たちが使う「醸造酢」は、米や小麦、酒粕などを使った「穀物酢」と、りんごやぶどうなどを使った「果実酢」に分けられます。

「米酢」は、お米をアルコール発酵させてから酢酸発酵させたもの。お米をどのくらい使用しているかで名称が異なり、米のみを使って作られたお酢は「純米酢」と呼ばれます。

米酢はまろやかな味わいでコクがあり、お酢の香りが強いのが特徴です。しかし、加熱すると香りが飛びやすいため、お酢の風味を楽しむような酢の物や酢飯に使うのがおすすめです。

家庭では定番の「穀物酢」は、小麦やコーンなどをブレンドして作られています。米酢よりは香りが弱いですが、クセがなくシンプルな味わいなので、さまざまな料理に利用できます。

その他、熟成させた酒粕を主原料にした「赤酢」や、玄米を熟成させた「玄米酢」「米黒酢」などがあります。

果実酢の代表格は「りんご酢」。りんごの果汁をアルコール発酵させ、さらに酢酸発酵して熟成させたものです。りんご特有の甘い香りとフルーティーな味わいが特徴で、酸っぱさが苦手な方にもおすすめです。りんごの生産が盛んなアメリカでは、りんご酢=アップルビネガーがポピュラーなのだそう。そのまま飲んだりソーダで割ったり、ドレッシングにしたりと、幅広い使い方ができます。

ぶどう果汁を使って作られるお酢もあります。フランスでは「ワインビネガー」が主流で、ワインと同様に赤と白があるほか、シャンパンビネガーやシェリービネガーなどがあります。

ワインビネガーはオリーブオイルとサッと合わせて野菜のドレッシングに。カルパッチョなど刺身との相性も抜群です。

イタリアで作られる「バルサミコ酢」は、濃縮のぶどう果汁を木樽で長期熟成させるのが特徴。熟成期間もさまざまあり、深みのある味わいが楽しめます。

ドレッシングとして使うほか、鍋で煮詰めてソースにもおすすめ。濃厚な旨みは、濃い肉料理を引き立てます。

調味料だけじゃない!役立つお酢の使い方

お酢は料理の味付け以外にも、さまざまなシーンに役立ちます。価格が安価な穀物酢なら気兼ねなく利用できますね。

例えば、お米を炊く前に、お酢を少量入れておくと、防腐効果の役割を果たしてくれます。目安はお米2合にお酢小さじ1杯程度。炊き上がったらお酢の香りは消えるので、匂いが気になることもありません。

また、キッチンのシンクにざらつきや、白いくもりなどの水垢が目立つようになってきたときもお酢の出番です。スポンジにお酢と、研磨剤代わりの粗塩をつけ、軽くこすって洗い流すとよく落ちます。ただ、シンクのステンレスが酸で変色する場合もありますので、洗い流したらすぐ拭き取りましょう。

色々なシーンに使えるお酢、使い分けて楽しもう

さっぱりとした風味をつけるだけでなく、減塩やアク抜き、臭み消しなどにも利用ができるお酢。色々なお酢を買って、使い分けてみるのも楽しいのではないでしょうか?

 

農林水産省「食酢品質表示基準」(pdf)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/quality_labelling_standard/pdf/kijun_43_110831.pdf

文:田窪 綾